Artist : KILLER-BONG
Title : SAX BLUE 6
仕 様 : MIXCD
発売日 : 10月30日
“『ここから何かが再びはじまる予感のする素晴らしいジャズ・ミックスだ』
KILLER-BONGによるサウンドコラージュ『SAX BULE』シリーズ第6弾。”
ジャズは、現在のクラブ・ミュージックやヒップホップ、R&Bを考える上で重要なキーワードだ。ジャズはいま再び浮上している。ジャズ・ピアニストのロバート・グラスパーは、2012年に発表した『ブラック・レディオ』で第55回グラミー賞最優秀R&Bアルバムの栄冠を勝ち取った。LAの巨人、フライング・ロータスは、最新作『ユーアー・デッド』で、ジャズを新しい次元に引き上げようという野心さえみせている。ふたりはともにアメリカのヒップホップ世代の音楽家である。日本のヒップホップ世代の音楽家で、ジャズと言えば、KILLER-BONGである。日本が世界に誇るジャズ・ベーシスト、鈴木勲との壮絶な即興演奏をはじめ、KILLER-BONGは、メタファーではなく、ジャズを実践してきた男である。2012年にはじまったMIXCDシリーズ『SAX BLUE』も、ジャズを主題にしている。この連作でKILLER-BONGはありとあらゆる音楽―ヒップホップ、R&B、ドラムンベース、ボサノヴァ、ポスト・ダブステップ、エレクトロニカ、ミニマル・テクノ、ディープ・ハウス、モダン・ジャズ、スピリチュアル・ジャズ――をかけてきた。が、KILLER-BONGは、ただただジャズやジャズ的な音楽をスピンしてきたのではない。まさしくジャズをプレイするようにエキサイティングなミックスを展開してきた。そして、最新作『SAX BLUE 6』のKILLER-BONGは、より王道のジャズ、リアル・ジャズに接近している。ジャズの凶暴性や即興性だけではなく、静けさや透明感といったものを深いところで感受し、表現しているように思える。この変化は、KILLER-BONGという音楽家の今後の動向を考える上でもかなり興味深い。ここから何かが再びはじまる予感のする素晴らしいジャズ・ミックスだ。
(二木信)
公表されておりません。